原口遺跡の発掘調査跡

西部にある神奈川県農業技術センター付近にある発掘調査跡です。

 

神奈川県は、農業総合研究所(現・農業技術センター)を建設するにあたって、1992年(平成4年)4月から1994年(平成6年)9月までの2年半、用地内にあった原口遺跡を発掘調査しました。

その結果、旧石器時代~江戸時代にかけての遺構や遺物が、数多く発見されました。

 

旧石器時代の層からは石器や石屑、焼けた石など1万5千点以上が、縄文時代の層からは土器や石器、80軒あまりの竪穴式住居跡や敷石住居跡、集石、墓、貯蔵穴、落とし穴などが見つかりました。

 

弥生~古墳時代では、70軒以上の竪穴式住居跡の他、約100基の方形周溝墓が見つかりました。

住居や墓からは装身具が、底湿地からは木製品が出土しました。

 

奈良時代では、26軒の竪穴式住居跡と16棟の掘立柱建物跡が見つかりました。

江戸時代では、民家跡や井戸、墓、道、溝の跡などが発見されました。

 

出土品は、かながわ考古学財団で保管されているそうです。

また、一部は、農業総合研究所内で展示されていると案内されています。

 

背後には、江戸時代に造られたと思われる塚がありますが、その地中には古墳が眠っていると考えられています。

溝の幅は約4メートル、深さは0.25~1メートルあり、直径は約34メートルの円墳(下榎戸原古墳)です。

 

古墳は、5世紀後半~6世紀にかけて造られたと推測されていますが、塚によって一部が壊されているため、詳しいことは不明ということです。

 

アップの姿です。

右手前にある黒い円筒のようなものが何なのか、気になります。

 

【原口遺跡の発掘調査跡】

平塚市上吉沢 神奈川県農業技術センター付近

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