平塚の中心市街地の地盤沈下は、他の多くの地方都市と同様に進んでいると思われます。
参考となるデータとして、経済産業省の商業統計があります。
少し古くなりますが、この中の平成9年、14年、16年、19年の立地環境特性別統計(小売業)を利用します。
この年間商品販売額(百万円)をグラフにしてみると、次のようになります。
7つの商業集積地区(商店街)の中で、中心市街地と呼ばれる辺りに位置するのは、明石町商店街、紅谷町商店街、平塚駅ビル、宮の前商店街の4つです。
(正確には、八雲新桜会がどこにあるのか、分かりません)
この内、平成19年の金額が平成9年を上回るのは、平塚駅ビルのみです。
紅谷町商店街は、100億円近く、割合にすると30%以上の落ち込みです。
明石町商店街は、金額こそ60億円弱ですが、割合では50%以上の減少です。
全国的な景気低迷の影響も、あるでしょう。
しかし、郊外型商業施設などとの競争の影響も、大きそうです。
平塚市が発表している統計情報で、商業統計調査があります。
この中にある「商店数・従業者数・年間商品販売額の推移(昭和60年~平成19年)」を使い、小売業の年間商品販売額(万円)をグラフにしてみると、次のようになります。
ここで、平成9年と平成19年を比較してみると、約13%の落ち込みとなっています。
つまり、市内全域の減少幅に比べて、中心市街地の減少幅は、大きく上回ることになります。
中心市街地で見られる気になる現象として、「チェーン店が少ない」ことがあります。
小田原市や茅ヶ崎市などと比べても、チェーンの店をあまり目にしないように感じられます。
ミスタードーナツやマクドナルドは、長年営業していた中心市街地の店舗を閉店しました。
梅屋ユーユー館に入っていた丸善も、昨年退店しました。
もちろん単純な話ではなく、契約が合意に至らなかったり、施設等の問題であったりする可能性もあります。
しかし、「立地の魅力が乏い」という想像もできます。
中心市街地を歩く人の流れを見ていると、そう感じられてなりません。
マクドナルドがあった地に、「おかしのまちおか」が出店しました。
この店の動向やインパクトが、非常に注目されます。
中心市街地にチェーン店が必要だと論じている訳ではありません。
ただ、チェーン店の存在は、商業地の賑わいや立地の魅力のバロメーターの一つではあるでしょう。
念のために記すと、郊外より中心市街地が賑わうべきであると論じている訳でもありません。
しかし、中心市街地は「まちの顔」となる場所であり、賑わいがあることが望ましいです。