平塚の商業の考察

特集の作成を終えて、平塚の商業について考察してみます。

 

平塚は、人口規模の割には、商業に特徴のあったまちであると考えています。

商業に関して、歴史的に多くの変遷があり、「商都」と呼ばれていた時期も短くありませんでした。

 

江戸時代には、「平塚宿」として栄えました。

明治時代には平塚駅ができ、「十字屋」や「長崎屋」などといった全国に展開するような店も生まれました。

明治40年に誕生した「梅屋」は、当時は県下でも有数な百貨店だったようで、相模湾沿岸という広大なエリアを商圏としていました。

 

昭和時代には、国鉄出資の駅ビルでは第1号となる、「平塚ラスカ」が誕生しました。

郊外型店舗や大型店が増えていった時期には、「ダイクマ」などが誕生し、勢いを持ちました。

 

平成に入ると、周辺地区でも最大級のショッピングセンターであった「OSC湘南シティ」が誕生し、広域から集客をしました。

一方では、既存の大型店などには苦戦が見られ、十字屋や長崎屋の閉店、ダイクマの売却などがありました。

中心街の地盤沈下も、進みました。

 

今後は、2015年頃に「ららぽーと」が、2018年頃には「イオンモール」が誕生する予定です。

全国的にも巨大なショッピングモールが近接して立地するという、新たなステージに突入することになりそうです。

 

かつて、商業の中心は、国道1号(東海道)沿いでした。

その後、平塚駅に近い方へと、重心は移りました。

現在そして今後は、平塚駅周辺と国道129号沿いが、主な中心となりそうです。

 

ららぽーと」と「イオンモール」の誕生によりどのような変化が起こるのかは、今のところ正確な予測は難しいです。

ただ、厚木市や伊勢原市、寒川町、茅ヶ崎市などの周辺市町も巻き込んで、大きなうねりを引き起こすことが考えられます。

これらの都市においても、既存の商業施設などに、影響が出ることが想像されます。

 

市内では、「平塚ラスカ」や「OSC湘南シティ」など、既存の大型店やショッピングセンターなどは、影響を免れないでしょう。

激しい競争となるのか、競合を避けて棲み分けることになるのかは、分かりません。

新たなショッピングモールの中に取り込まれ、既存店舗から撤退するというケースが出てくる可能も、低くはないでしょう。

 

一方、中心部などの商店街は、一部を除き売上にそれほど大きな影響は出ないのではないかと予想しています。

どちらかといえば、空き店舗や後継者問題といった古くからある問題が、一段と加速するように考えています。

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